「下手な英語に見えるが実はドイツ語……嘘だけど」3選

嘘じゃない例

日本語の外来語は英語由来のものが多いが、英語に似た語があるものの外来語としての借用元は他の外国語、というものもある。このような外来語は英語以外の外国語に馴染みのない人が見ると「下手な英語」「日本語訛り」「ローマ字読み」のようにも見えるかもしれない。例えば「エネルギー」という日本語は一見英語の energy [ジー] をローマ字読みしたようにも見えるが、実際にはドイツ語の Energie [エネルギー] に由来する外来語である。

(追記) また、このような外来語の代表例に化学物質名がある。例えば、「アルカン」「アルケン」「アルキン」はそれぞれ、英語の alkane [アルケイン], alkene [アルキーン], alkyne [アルカイン] ではなくドイツ語の Alkan [アルカーン], Alken [アルケーン], Alkin [アルキーン] に由来する。 (追記ここまで)

以下はこれと逆に、一見「英語の日本語訛り」ではなくドイツ語由来に見えるが、実際に「英語の日本語訛り」である例である。

ベッドの「ベット」という発音

ドイツ語でベッドを Bett [ベット] という。実際には、日本語で「ベッド」が「ベット」と発音されたとしても、それは促音と濁音の組み合わせが避けられているだけである。

アイスクリームを意味する「アイス」

ドイツ語でアイスクリームを Speiseeis [シュパイゼアイス] というが、これを単に Eis [アイス] ともいう。ただし英語と同様に第一義は「氷」である。

実際には日本語の「アイス」は「アイスクリーム」の省略された形である。

「〇〇に関係する人」を意味する接尾辞「〇〇ラー」

ドイツ語にも英語と同様に行為者名詞を作る接尾辞 -er があるが、これが場合によっては -ler という形になる。例えば Wissenschaft [ヴィッセンシャフト] 「科学」に対する Wissenschaftler [ヴィッセンシャフトラー] 「科学者」 などである。

実際には日本語の「マヨラー」などの「ラー」は、「安室 (奈美恵)」→「アムラー」などの例が再分析されたか、母音の衝突を防ぐために r を挿入しているかで、いずれにしろ英語が由来である。