動画
正規分布はガウス曲線やベルカーブとしても知られ、いたるところに現れる。ゴルトンボード (Galton board) 然り、整数が持つ素因数の数然り (Erdős–Kac の定理) 。これは中心極限定理に起因する。
正規分布の確率密度関数は という形をしている。これは標準正規分布 に平行移動とスケーリングを施したものである。
中心極限定理の主張は次の通り。ある確率変数 があり、その平均および標準偏差がそれぞれ であるとする。このとき変数 は標準正規分布に従う。この変数は「確率変数の値の和は平均から標準偏差いくつ分離れているか」を意味する。定理を厳密な数式で表現すると次の通り。
ただしこれは次の3つを前提とする。
- すべての が互いに独立である
- すべての は同一の分布から得られる
- は有限の分散を持つ
例題の回答例
動画の最後のほうに例題が出題される。6面サイコロを100個振ったときの値の合計 (TRPG でいうところの 100D6) が95%の確率で分布する範囲を求めよ、というものだ。動画の回答とは少しだけ違うやり方で解いてみた。動画でも触れられた「足せるのは標準偏差ではなく分散」および「68–95–99.7ルール」を利用する。
100D6の平均、分散、標準偏差をそれぞれ とする。また、1D6の平均および分散をそれぞれ とする。 であり、またおおよそ である。このとき、
,
,
なので、求める範囲 は、
である。
は 3D6 の分布が平均 10.5, 標準偏差 3 の正規分布に近いことを覚えていればすぐに導ける……のだが、動画視聴中に一時停止して解いていたときには間違えて を用いてしまっていた (それは標準偏差の値だ) 。上記の回答は動画視聴後に修正したものである。